そんな……!
どうにか透子を説得しようと思ったのに、そこで電話は切られてしまった。
亜希は呆然としてスマホを見つめる。


「ダメだったのか?」


近くにいた和也が聞いてきたので、亜希はひとつ頷いた。


「それに、電車が止まったからいつここに来られるかわからないみたい」

「透子が来るまでこの部屋から動けないし、どうなってんだよ……」


まるで最初から仕組まれていたように感じられて和也は軽く舌打ちをした。
透子のおじさんは絶対になにか知っていたはずだ。

それも教えてもらえなかった。
この雪じゃ自分たちで歩いて帰ることもできない。
八方塞がりだ……。