微かに聞こえてくる声は小さな女の子のものに聞こえる。
そう言えば、隣のコテージには小さな女の子が宿泊していたっけ。

その子が泣いているのかもしれないと思い、窓へ近づいた。
薄いカーテンを開けて隣の建物の様子を確認する。

しかし窓から明かりは漏れておらず、車もなかった。
そこでふと、そういえば昼間あの家族は帰っていったのではなかったかと、思いだしのだ。

じゃあ、この声は……?
うぅぅ……うぅぅ……。

泣くような、苦しむような声はよく聞けば外からではなく、内側から聞こえてくるような気もする。
そうと気がつくともうそこには居られなかった。

和也は弾かれたように足って部屋に戻ると、布団を頭までかぶって身を丸めた。
そして朝までジッと息を殺していたのだった。