「うっ……うぅ……」
チクリとした痛みと一緒にくるのは、身体がとろけるようになる魔法で。
痛い、いたいのに…、
次々と襲う痛みと溶かすような甘い口付けからは逃げられない。
彼が一通り噛んで、私の額にキスを落とした時にはもう、私の意識はなかった。
「じゃあ帰ろうか。紬」
そうして、私はまた彼から逃げることなんてできなかった。
この学園に入学さえしなければ。
私は何度も、何度も後悔している。
私のこの悪夢はこの一ヶ月とちょっと前が発端だった。
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