こんなことを思うなんて、と自分で恥ずかしくなるけれど…。
「…ごめんね、止まれなくて。もう当分しないから…」
もう、手遅れ。
「…嫌」
「え…?」
「き、キスっ…もっと、してよ」
気がついたら、口から飛び出していた。
「っ…それ、本気で言ってる?」
理央の心の揺れが、こちらまで伝わってくる。
…本気も何も、何言ってるのよ。
私はいつだって、貴方にたくさんの気持ちと言葉をもらって揺らされてきた。
「…愛して、くれるんでしょう?」
だから…私は、いつまでも貴方の心を揺らしたい。
「っ…敵わないな、薫子には」
「ふふ、お互い様よ」
人生を諦めようとしていた時に、貴方と出会った。
きっとそれは、運命よりももっと深くて、それに等しいもの。
貴方がどんな存在であろうと、私の想いは決して変わることは無い。
「薫子のこと…骨の髄まで、愛させてね」
私に流れるこの血が沸騰してしまうくらい、貴方への愛が止まらないから。



