「…ずっと黙ってて、嘘だらけで本当にごめん。でも、薫子のことを好きな気持ちに変わりはないよ」
「っ…それは、ほんと?」
そんな私にお構い無しで続ける理央の言葉にも、鼓動が高鳴って仕方がない。
もっとちゃんとした確信が欲しくて、欲張ってしまう。
「強く見せようとしてるけど、本当は誰よりも繊細で優しいところも、すぐに真っ赤になって可愛い反応するところも…嫌いなところなんて何一つないくらい、薫子のことが大好き」
「っ…」
言われた瞬間、胸の奥から何か熱いものが込み上げてきた。
胸がつっかえて、すぐに言葉として出せなかったけれど。
「…っ私も、理央のことが好き…っ」
この熱い何かの正体に名前をつけるのなら、それは多分…。
「愛してるのっ…!」
誰かたった一人を想う、愛なのだ。
その刹那、グイッと腕を引っ張られて理央の胸に放り込まれた。
見た目の割に力強くて長い腕が、話さないとでも言うように私の体に巻きついてくる。
「僕も、愛してる。この世の誰よりも、薫子のことが好きで好きで、たまらないんだ」
耳元で響く声が、私の心に心地よく流れた。



