シップを降り、オペレーションセンタービルに入った所で、大和達は前方に恵真のうしろ姿を見つけた。
フライトバッグを2つ持ち、隣の倉科に寄り添って時折様子をうかがうように歩いている。
「佐倉さん。俺が倉科さんを」
「ああ、悪い」
伊沢が駆け寄り、恵真に声をかけた。
フライトバッグを1つ受け取ると、倉科の腕を支えながら歩き出す。
立ち止まって見送っている恵真に、大和は足早に近づいた。
「恵真!」
恵真が振り返り、大和を見てにっこり微笑む。
「佐倉さん、お疲れ様で…」
言葉を続けられなかったのは、大和がぎゅっと恵真を抱きしめたからだった。
「あ、あの、佐倉さん。こんな所で…」
「恵真、良かった。本当に良かった…」
恵真の頭を抱き寄せて、何度も呟く。
「は、はい。では一旦この辺で」
そう言って恵真は、グイッと大和の胸を押して離れた。
「ちょ、恵真?」
「佐倉さん。事情をお話しますから、歩きましょう」
真顔でそう言うと、くるりと向きを変えて歩き出す。
慌てて肩を並べた大和に、恵真はいきさつを説明した。
「そうか、倉科さんが…」
「はい。幸いそこまで酷くなさそうですし、明日はオフだそうですから、ゆっくり休めば大丈夫ではないかと。ただ、監査室で少し事情は聞かれるそうです」
「なるほど、分かった」
そして大和は、もう一度恵真を抱きしめようとした。
「佐倉さん、それでは私はここで」
恵真は、するりと大和の腕をかいくぐって逃げる。
(くうー!俺のこの気持ちをどうしてくれるんだ!)
「恵真!帰ったら覚悟しろよ!」
ビクッと恵真が動きを止め、恐る恐る振り返る。
「今夜は朝まで離さないからな」
ニヤリと笑う大和に、恵真は顔を引きつらせた。
フライトバッグを2つ持ち、隣の倉科に寄り添って時折様子をうかがうように歩いている。
「佐倉さん。俺が倉科さんを」
「ああ、悪い」
伊沢が駆け寄り、恵真に声をかけた。
フライトバッグを1つ受け取ると、倉科の腕を支えながら歩き出す。
立ち止まって見送っている恵真に、大和は足早に近づいた。
「恵真!」
恵真が振り返り、大和を見てにっこり微笑む。
「佐倉さん、お疲れ様で…」
言葉を続けられなかったのは、大和がぎゅっと恵真を抱きしめたからだった。
「あ、あの、佐倉さん。こんな所で…」
「恵真、良かった。本当に良かった…」
恵真の頭を抱き寄せて、何度も呟く。
「は、はい。では一旦この辺で」
そう言って恵真は、グイッと大和の胸を押して離れた。
「ちょ、恵真?」
「佐倉さん。事情をお話しますから、歩きましょう」
真顔でそう言うと、くるりと向きを変えて歩き出す。
慌てて肩を並べた大和に、恵真はいきさつを説明した。
「そうか、倉科さんが…」
「はい。幸いそこまで酷くなさそうですし、明日はオフだそうですから、ゆっくり休めば大丈夫ではないかと。ただ、監査室で少し事情は聞かれるそうです」
「なるほど、分かった」
そして大和は、もう一度恵真を抱きしめようとした。
「佐倉さん、それでは私はここで」
恵真は、するりと大和の腕をかいくぐって逃げる。
(くうー!俺のこの気持ちをどうしてくれるんだ!)
「恵真!帰ったら覚悟しろよ!」
ビクッと恵真が動きを止め、恐る恐る振り返る。
「今夜は朝まで離さないからな」
ニヤリと笑う大和に、恵真は顔を引きつらせた。



