数日後、大和はその日の乗務を終えて更衣室で着替えていた。
恵真はあの怪我の日の2日後、ロンドンへと飛んでおり、今日は現地ステイのはず。
(向こうは今、昼過ぎかな)
そんな事を考えながらロッカーを閉めると、入り口から「お疲れ様です!」と声がして伊沢が入って来た。
「あ、佐倉さん!お疲れ様です」
「お疲れ様。久しぶりだな、伊沢」
「そうですね、最近佐倉さんとは一緒に飛んでないですよね。なぜか野中さんとはよく一緒になるんですけど」
「ん?なんか不服そうだな」
「不服じゃないですが、まあ、色々ややこしいんですよねー。最近の野中さん」
なんだそれ?と思った時、大和のスマートフォンが鳴る。
「お、悪い」
「いえ、どうぞ」
伊沢が気を利かせて離れていく。
表示を見ると、恵真からの電話だった。
「もしもし、恵真?」
思わず顔がニヤけてしまう。
が、聞こえてきたのは妙に高い男の裏声だった。
「もしもし、あなた?私よ、恵真よ」
「はあ?」
思い切り不審感をあらわにして聞き返してしまう。
すると「ちょっと!野中さん、返してください!」という声のあと、もしもし?と恵真が電話口に出た。
「もしもし、恵真?さっきの何?」
「あー、ごめんなさい!野中さんに横からスマホ取られちゃって…」
そう話しているうしろでも、俺もしゃべりたいー!と野中が騒いでいるのが聞こえる。
「もう分かりましたから!大和さん、すみません。スピーカーにしますね」
「ああ、うん」
勢いに呑まれて頷くと、もしもーし!と大きな野中の声が聞こえてきた。
恵真はあの怪我の日の2日後、ロンドンへと飛んでおり、今日は現地ステイのはず。
(向こうは今、昼過ぎかな)
そんな事を考えながらロッカーを閉めると、入り口から「お疲れ様です!」と声がして伊沢が入って来た。
「あ、佐倉さん!お疲れ様です」
「お疲れ様。久しぶりだな、伊沢」
「そうですね、最近佐倉さんとは一緒に飛んでないですよね。なぜか野中さんとはよく一緒になるんですけど」
「ん?なんか不服そうだな」
「不服じゃないですが、まあ、色々ややこしいんですよねー。最近の野中さん」
なんだそれ?と思った時、大和のスマートフォンが鳴る。
「お、悪い」
「いえ、どうぞ」
伊沢が気を利かせて離れていく。
表示を見ると、恵真からの電話だった。
「もしもし、恵真?」
思わず顔がニヤけてしまう。
が、聞こえてきたのは妙に高い男の裏声だった。
「もしもし、あなた?私よ、恵真よ」
「はあ?」
思い切り不審感をあらわにして聞き返してしまう。
すると「ちょっと!野中さん、返してください!」という声のあと、もしもし?と恵真が電話口に出た。
「もしもし、恵真?さっきの何?」
「あー、ごめんなさい!野中さんに横からスマホ取られちゃって…」
そう話しているうしろでも、俺もしゃべりたいー!と野中が騒いでいるのが聞こえる。
「もう分かりましたから!大和さん、すみません。スピーカーにしますね」
「ああ、うん」
勢いに呑まれて頷くと、もしもーし!と大きな野中の声が聞こえてきた。