Good day ! 2【書籍化】

二人はフライトの疲れも忘れて、デートを楽しむ。

イルカに目を輝かせる恵真の横顔を、大和は優しく見つめて幸せな気分になる。

そして、
「あ!今あのカップル、キスしたぞ!」
と言っては、チュッと恵真にキスをした。

「もう!大和さん。わざとカップル探してるでしょ?」
「探してませんよー。ほら、恵真。お土産は?イルカのぬいぐるみ、欲しくないの?」
「欲しい!」

幸せを噛みしめながら、二人はたくさんのお土産を手にホテルに戻る。

せっかくテラスからの夜景がきれいだからと、夕食はルームサービスを頼んだ。

誰にも邪魔されずに二人の時間を過ごす。

「ねえ、大和さん」

夕食のあと、しばらくテラスから二人で海を眺めていると、恵真がふと大和に声をかけた。

「どうしましょう、あれ」

ん?と大和が恵真の視線の先を追うと、恵真はじっとベッドを見ていた。

「え、もうベッドに行きたいの?なーんだ、それならそうと…」
「ち、違いますってば!」

肩を抱き寄せようとする大和を、恵真は真っ赤になって押し返す。

「あのお花!プルメリアのハートの飾りが素敵だから、崩したくなくて。私、ソファで寝ようかな…」
「ダメ!そんなの絶対ダメだからな!」
「でも…」

すると大和は、急に恵真を抱き上げた。

「ひゃあ!何?」

大和は恵真を抱きかかえたままベッドに近づくと、片膝を花のギリギリ近くに付き、ハートの中に恵真を座らせた。

「わあ!素敵…」

周りをハートで囲まれた恵真は、うっとりとプルメリアの花に見とれている。

大和はそんな恵真を写真に収めた。

やがて大和はベッドの端に腰掛けて、恵真に笑いかけながら手を差し出す。

「お花の国のお姫様。僕と結婚してくれませんか?」
「ふふふ、はい。私と結婚してください、王子様」

恵真が大和に手を重ねると、大和はその手を引いて顔を寄せ、恵真に優しく口づけた。