「恵真」
「はい」
やがて大和が恵真に向き合うと、恵真も改めて大和に向き直る。
胸元に抱えたブーケが恵真を華やかに彩り、柔らかい髪とラベンダーカラーのスカートが風にふわりと揺れた。
大和はしばしその美しさに見とれたあと、ゆっくりと口を開く。
「俺はずっと、飛行機のことばかり考えてきた。どんなに飛行機バカと言われても構わない。このまま一生恋人がいなくても、結婚出来なくてもいい。本気でそう思っていた。でもそんな俺の前に、奇跡のように素敵な人が現れたんだ。いつも真面目で飛行機のことばかり考えてる、俺に負けず劣らずの飛行機バカで……」
じっと耳を傾けていた恵真の顔が、だんだん膨れてくる。
「流行りの洋服やドラマなんか興味もなくて、飛行機の話ばっかり。女子力なんて、もしかしたらほとんどないんじゃ……」
「ちょっと、大和さん!?」
ははは!ウソウソと、大和はふくれっ面の恵真に笑う。
そして右手でそっと恵真の左頬を包んだ。
「可愛くて健気で純粋で、一生懸命でひたむきで。泣き虫で甘えん坊だけど、操縦桿を握るとめちゃくちゃかっこいい。そして真っ直ぐに俺だけを見つめてくれる。そんな恵真に俺は出会えた。本当に奇跡のようだよ」
恵真は照れたようにふふっと笑う。
「私も、恋愛なんて全く興味がありませんでした。頭の中はいつも飛行機のことでいっぱいで。流行りの服もドラマも興味なくて、確かに女子力ゼロかも? ふふっ」
うつむいて笑ったあと、大和を見上げる。
「でも私も、心の底から信頼出来る素晴らしい人に出会えました。悩む私を力強く励まして導いてくれる、私の道しるべのような人。いつも私を守って抱きしめてくれる温かい人。大和さん、あなたと出会えたことは私にとって奇跡です」
大和は恵真に優しく微笑む。
恵真の瞳を覗き込んで、真剣に言葉を続けた。
「世界一、君を愛している。俺にとって君以上の人なんていない。結婚しよう、恵真」
恵真の瞳に涙が込み上げてくる。
「私も、世界で一番あなたが好きです。あなたのいないこの先の人生なんて考えられません。結婚してください、大和さん」
大和は優しく微笑んで頷くと、ポケットからリングケースを取り出した。
ビロードのロイヤルブルーのケースを、大和は恵真に向けてそっと開ける。
陽の光を浴びてキラキラとまばゆく輝くダイヤモンドリングに、恵真は驚いて息を呑んだ。
大和はリングを手に取ると、恵真の左手を下からすくい上げ、ゆっくりと薬指にはめた。
ピタリと馴染むエンゲージリングに、恵真は更に驚く。
「大和さん、いつの間にこんなに素敵な指輪を? どうしてこんなにサイズもピッタリなの?」
「ん? さあね」
大和はサラッと笑顔でかわし、優しく恵真を抱きしめた。
「世界一君を幸せにするよ、恵真。二人で、世界一のパイロット夫婦になろう」
「はい、大和さん」
大和は恵真の頬に触れ、恵真の目元に浮かんだ涙を親指でそっと拭う。
その時、ゴーッという飛行機のエンジン音が聞こえてきた。
あ、離陸するよ!と誰かが声を上げる。
皆が飛行機に注目する中、大和は優しく恵真に口づけた。
幸せで胸をいっぱいにする二人を祝福するかのように、日本ウイング航空の美しい機体が二人の頭上を飛び立っていった。
「はい」
やがて大和が恵真に向き合うと、恵真も改めて大和に向き直る。
胸元に抱えたブーケが恵真を華やかに彩り、柔らかい髪とラベンダーカラーのスカートが風にふわりと揺れた。
大和はしばしその美しさに見とれたあと、ゆっくりと口を開く。
「俺はずっと、飛行機のことばかり考えてきた。どんなに飛行機バカと言われても構わない。このまま一生恋人がいなくても、結婚出来なくてもいい。本気でそう思っていた。でもそんな俺の前に、奇跡のように素敵な人が現れたんだ。いつも真面目で飛行機のことばかり考えてる、俺に負けず劣らずの飛行機バカで……」
じっと耳を傾けていた恵真の顔が、だんだん膨れてくる。
「流行りの洋服やドラマなんか興味もなくて、飛行機の話ばっかり。女子力なんて、もしかしたらほとんどないんじゃ……」
「ちょっと、大和さん!?」
ははは!ウソウソと、大和はふくれっ面の恵真に笑う。
そして右手でそっと恵真の左頬を包んだ。
「可愛くて健気で純粋で、一生懸命でひたむきで。泣き虫で甘えん坊だけど、操縦桿を握るとめちゃくちゃかっこいい。そして真っ直ぐに俺だけを見つめてくれる。そんな恵真に俺は出会えた。本当に奇跡のようだよ」
恵真は照れたようにふふっと笑う。
「私も、恋愛なんて全く興味がありませんでした。頭の中はいつも飛行機のことでいっぱいで。流行りの服もドラマも興味なくて、確かに女子力ゼロかも? ふふっ」
うつむいて笑ったあと、大和を見上げる。
「でも私も、心の底から信頼出来る素晴らしい人に出会えました。悩む私を力強く励まして導いてくれる、私の道しるべのような人。いつも私を守って抱きしめてくれる温かい人。大和さん、あなたと出会えたことは私にとって奇跡です」
大和は恵真に優しく微笑む。
恵真の瞳を覗き込んで、真剣に言葉を続けた。
「世界一、君を愛している。俺にとって君以上の人なんていない。結婚しよう、恵真」
恵真の瞳に涙が込み上げてくる。
「私も、世界で一番あなたが好きです。あなたのいないこの先の人生なんて考えられません。結婚してください、大和さん」
大和は優しく微笑んで頷くと、ポケットからリングケースを取り出した。
ビロードのロイヤルブルーのケースを、大和は恵真に向けてそっと開ける。
陽の光を浴びてキラキラとまばゆく輝くダイヤモンドリングに、恵真は驚いて息を呑んだ。
大和はリングを手に取ると、恵真の左手を下からすくい上げ、ゆっくりと薬指にはめた。
ピタリと馴染むエンゲージリングに、恵真は更に驚く。
「大和さん、いつの間にこんなに素敵な指輪を? どうしてこんなにサイズもピッタリなの?」
「ん? さあね」
大和はサラッと笑顔でかわし、優しく恵真を抱きしめた。
「世界一君を幸せにするよ、恵真。二人で、世界一のパイロット夫婦になろう」
「はい、大和さん」
大和は恵真の頬に触れ、恵真の目元に浮かんだ涙を親指でそっと拭う。
その時、ゴーッという飛行機のエンジン音が聞こえてきた。
あ、離陸するよ!と誰かが声を上げる。
皆が飛行機に注目する中、大和は優しく恵真に口づけた。
幸せで胸をいっぱいにする二人を祝福するかのように、日本ウイング航空の美しい機体が二人の頭上を飛び立っていった。



