「まずは食べ物? きみらしいな。じゃあ、行こう」

 チャーリーは、駆けだした。わたしの右手を握ってひっぱりつつ。その動作があまりにも自然だったので、まるで恋人どうしのような行為にわたしも素直に従ってしまった。

(気恥ずかしいわ。だけど、たまにはいいわよね)

 チャーリーに手をひっぱられながら、自分にいいきかせる。

 ドーナツ屋で揚げたてのドーナツを買ってもらった。

 紙に包まれていて、粉砂糖に覆われている。

 歩きながら一口かじった。