「大盛況だろう? 一日すごすことが出来る。いいや。一日ではまわりきれないだろう。今日は、きみの好きなようにまわろう。いいね?」
「ほんとうに? じゃあ、まずこっちから」

 指さした先には、ドーナツ屋である。

 屋台形式で、店の主人は次から次へとドーナツを揚げている。油と甘ったるいにおいが鼻をくすぐる。