「ええ。ここにいる人たちって、男女ともに同じような感じだから、覚えようにも覚えられないのよね。ああ、もちろん。国王と王妃は大丈夫よ。あっ、でも待って。国王と王妃の名前? なんたらラザフォードね。これは、間違いないわ」
「当然だよ。ラザフォードは、王族の名だから。どうせファーストネーム、忘れたのだろう?」

 チャーリーが冷静なまでに横入りしてきた。

「悪かったわね。わかるでしょう? 覚える気がないの。というよりか、自然と覚えられるかなって。だけど、攻撃されたりし返したりということはあっても、自然と覚えられるほど親密に話をすることはないから、覚えようにも覚えられないのよ」
「そうだろうね」

 渾身の言い訳なのに、チャーリーはあっさり流してしまった。