チャーリーと二人で食事をするときは、王宮内にいくつもある食堂のひとつを使っている。その食堂は、宮殿内で働いている人たちの食堂なので、王族や上位貴族や官僚たちがやってくることはぜったいにない。

 つまり、あぶれ者どうしが静かにゆっくり食事をするのにここほど最適なところはないというわけ。

「あなたの本名は、チャールズなのね」

 ある日の夕食時、チャーリーに尋ねた。

「ああ、そうだよ」

 彼は、自分が最初に「チャーリーこそがほんとうの名前」だと言わんばかしに名乗ったのを忘れているみたい。