ここでの生活に慣れすぎてしまっている。

「大聖母」のときとは違い、飽食や怠惰な毎日をすごしている。もはやあの頃に戻ることは出来ないかもしれない。もっとも、戻るつもりなど毛頭ないけれど。

 生活習慣だけではない。

 チャーリーに甘やかされ、ジャニスやカイラ、それから専属の執事のロビン・シアースミスにチヤホヤされ、精神的に軟弱になっている。

 もっとも、王族のレディたちとはバチバチの関係だから、そこは根性と気合いで悪女っぷりを発揮しているけれど。

 それでも、昔とは違って気にかけてくれる人がいる。名を呼んでくれて様子を尋ねてくれたり、つまらないことや面白いことや興味深いことやそうでないことを話したりする。そんな存在が身近にいることが素敵である。