罵倒や文句が発せられるかと思いきや、うしろからいかなる言葉も飛んでこない。

 もしかして、驚かせすぎたのかしら? それとも、相手にするほどでもないと判断されたのかしら?

 異様なまでの静寂を背中で感じながら、バラのアーチをくぐった。

 そこではじめて、ジャニスとカイラが追いかけてくる気配を感じた。

 そうして、わたしたちは颯爽とバラ園をあとにした。

 この日、わたしは一日中森で読書をしてのんびりすごした。