「なんですって? あなた、王妃殿下のことをバカにするの?」

 みんな気色ばんでいるけれど、言葉に出して言ったのは、日頃から王妃にいいように使われている第二側妃だった。

「バカにする? まさか。事実を指摘したまでです。だってそうでしょう? これだけの天気ですよ。虐めとかいびりとかで時間を費やすなんて、『バカじゃないの』としか言いようがないのですもの。せっかく縁あってこの王宮で知り合ったのです。仲良くしたり尊敬しあう方が、よほど心と体にいいですよ。他人を貶めたり蔑んだりなんてことばかりしていたら、心も体も歪んでしまいます。ひずみがでてしまいます。そんな事態を招かないよう、みなさんいまから仲良くすごすことをお勧めします。是非ご検討願います」