『悪女になる決意をしたわたしでもいいの?』

 そう尋ねたとき、彼は『そのほうがいい』というようなことは言ったけれど、それ以上の詳しいことはいっさい言わなかった。

 きつい性格の王族のレディたちに対抗する為には、こちらの性格も同様にきつい方がいい。

 というようなことを。

 まあ、彼は嘘をついたわけではないか。だから、だまされたわけではない。

 情報のすべてを伝えていなかっただけ、かしらね。

 それでも、ちゃんと伝えてくれていたら、こちらもそれなりに心の準備をしていたのに、それをしていなかった。

 だけどまあ、いいんだけど。