切れた理由は、全否定されたこと。

 わたし自身を、わたしの人生を、わたしの意志を、わたしの夢を、わたしの将来を、全力で否定しゲシゲシに踏みつけにしたこと。

 しかも、彼はわたしの名すら覚えていない。というよりか、知らない。

「大聖母」になるべくすべてを賭けてきた。それこそ、全人生をである。すべてを諦め、すべてを隠し、すべてを耐え忍んだ。それもこれも添い遂げなければならない皇太子の為。ウイルクス帝国の皇族の為。ウイルクス帝国の為。そこにわたし自身は入らない。あくまでもわたし以外の為だった。