「遠い遠い遠い遠い遠い親戚でもそれに当たるのなら、そうかもしれない」
「とんでもなく遠いのね」

 彼のおどけた言い方に、おもわずツッコンでしまった。

「だろう? 残念ながら、おれは五男坊でね。家を継ぐ必要がないし、こうして諸外国を行ったり来たりしているんだ」

 一瞬、うらやましくなった。

 わたしと違い、彼は自由だから。それに、彼自身も自由奔放っぽい。

「それで、その五男坊がわたしに何の用かしら?」

 もう一度尋ねた。

 こんなところで時間を潰したくない、というのが本音だけど、彼との会話を続けたいという気もする。