(マズいわ。本来の目的とは真逆になっている)

 焦ってきた。国王の演説に対して拍手をしながら、焦りまくってしまう。

(だけど、まだいけるかも。王妃は、これだけの人の前で恥をかかされたのだもの。わたしのことを全力で逆恨みするかもしれない)

 そう思いつくと、すこしだけホッとした。

「陛下、わかっております」

 その瞬間、王妃が発言した。こちらを睨みながら。