「お飾りの役立たずは不要だ」とクズ皇太子に婚約破棄された大聖母、隣国の王子に(契約)結婚しようとスカウトされる~あなたが本当に愛する人と幸せになるよう大聖母から悪女にポジションチェンジしますわ~

 大広間に国王の痺れるようなハスキーボイスがゆったり流れていく。

「王妃、それから側妃たちよ。だれかを傷つけるのならわしを傷つけよ。わしの尻を叩き、頬に平手打ちを食らわせるがいい。そうすれば、多少なりともスッキリするだろう。微笑んだり笑い声をあげたり出来るだろう。昔のように、みなで笑い合ったり冗談を言い合ったり出来るだろう。わしは、そなたたちの笑顔をまた見てみたいのだ」

 そっと玉座をうかがうと、王妃は膝の上でハンカチを握りしめ、俯いている。

 わたしよりも上座に立っている側妃たちも、一様に俯いている。