「まさかこのおチビちゃんが『大聖女』とはな」
「あのー、『大聖女』ではなくて『大聖母』です」

 辺境伯の間違いに、はしたないけれどお肉を咀嚼しながら訂正した。

「どちらでも同じではないか。それに、おチビちゃんはまだ『母』じゃないんだろう?」
「えっ?」

 辺境伯の言葉に驚いた。おもわず、隣でキラキラ光っている美貌を見てしまった。

「それとも、もうお腹の中にいるとか? ああ、そういうことか。おいおい、チャーリー。やることはきっちりやるんだな」

 辺境伯の妄想は、あらぬ方向に突き進んでいる。