「大丈夫です。あなたも含め、わたしたちに移ることはありません。それから、患者たちもすぐによくなるはずです。その為に一部屋貸してもらえませんか? しばらくひとりにして下さい」

 師弟の間に割り込むようにしてお願いした。

 わたしの目的を達成するには、一刻でもはやいほうがいい。

「なんだって? おチビちゃんがいったいなにをしようと……」
「師匠、いいからいいから。おれたちは、しばらく向こうでお茶でも飲みながら旧交をあたためましょう」

 チャーリーは心得ている。

 辺境伯の大きくて広い背中を両手でぐいぐい押しつつ、向こうに行ってくれた。