ー野に咲く花の冒険譚ー




「僕はね,一人言を言っていたんだよ。『ジョセフィーネが可愛くて仕方ない。どうにかもう一度襲ってみようか。よくないな,らしくなく本気になりそうだ』ってな感じでね」



僕はアイザの犯した失態を覚えている。

だからアイザを役に立つと認識してはいても,気を許すことはなかったし極力近づかないようにしていた。

なのに,僕の何がこいつの心をつついたと言うんだろう。

それに僕は,こいつの一人言になんて興味はない。

イライラした空気が伝わったのか,アイザは役者のように抑揚を付けて言った。



「それを聞かれたんだよ,ココに」



ココは僕を探していた。

そして,アイザの不穏で迂闊な発言に立ち会った。



「『ちょっかい出すのは許さない』。僕は思った。ああめんどくさいな。そして教えてあげた。ジョンはジョンでも,いくら一目惚れでも。ジョセフィーネは女の子だよって」