ー野に咲く花の冒険譚ー



「こいつは特殊な製法を用いて作られる。前提として,花つきの花が攻撃しようとした瞬間の,固まった葉を切り落とさなくてはいけない。さらにそいつを数種類の液体に浸けたり乾かしたりして,原型をとどめた状態で容器に入れ,また液体に浸け置くことでようやく完成するものだ。知ってたか?」



材料を調達したあとは,最低でも4か月半はかかる代物。

葉の繊細さ故に,成功率はとてつもなく低い。

花つきからの命がけの採取でもあるために,数もそう出回らない。

0から100までめんどくさいこの毒は,もはや知る人もほぼいないと思われる。



「そんなものが,平然と。半分以上を残して森に捨てられてるなんて事が偶然だと思うか? そして最後,5つ目だ。こいつを拾った場所の土から,嗅ぎ慣れなたいけすかない匂いが僅かに香った」



僕の知るなかじゃ,そんなものをぷんぷんさせるやつは1人しかいない。