ココの横たわっていた場所まで迷うことなく歩く。
ココのいた場所にしゃがむと,地面はもう膨らみを取り戻しつつあった。
なるほど。
夜目を利かせ,周りを見る。
騒ぎのせいで足跡はいくつも見つかった。
一つ一つのそばにしゃがみ,観察していく。
僕は無数の足跡から一種類だけを選び,注意深く見ながらその踵を追って歩いた。
着いた先はいくつもテントの張ってある場所を少し離れた森の中で,予想以上に絞れなかったことに舌打ちをする。
最後の足跡にもくれば,目立って小さな足跡が見つかった。
それがどこから来たのかなんて,僕には考えるまでもない。
僕はテントを出てからずっと,ココに害をなした人間を探していた。
何かが視界の端に光る。
気になって目を向けると,それは月の光を反射した小瓶だった。
小さく切られた葉が,同じ色の液体に浸かっている。
僕の頭はかつてない程早く働き,それが僕の怒りのピークだった。
静かに回収する。
まだ足りない,まだ。
理性を失い欠けた僕の鼻を,何かが掠めた。
何もかも馬鹿馬鹿しくなって,考えるまでもなかったと……
僕は静かに息づくような笑みを落とした。



