「良いだろう」



僕は立ち上がる。

そして生まれて初めて,火薬が空で花の形を象るのを見た。



「君が僕を大事にするというなら。僕も君を,友人として大切にしよう」



差し出した片手は,がっしりと強く取られる。



「俺だけじゃない。ジョンは1人じゃないってこと,それだけは忘れるな。短い旅が終わっても,そこだけは変わらない」



その言葉に,僕はどんな顔をしたのか分からない。

ただ分かるのは,それを見たタルトが僕に満面の笑みを向けたこと。

タルトの笑顔を瞳に焼き付けた僕の気分が,爽快であったことだけだった。



「命有る限り,僕は君に敬意を払い,友と呼ぶ。君をお前とは,もう呼ばない」



それが,僕とタルトとの友情の始まりだった。

空に爆発する火薬も,危険だと思うより先に綺麗だと思える。