ー野に咲く花の冒険譚ー


あれが花嫁と言うものだと,挿し絵でしか見たことの無い存在に目を奪われる。

僕らに親切にも説明をしてくれた女の言う通り,確かに優しげで美しい娘だった。

ただでさえ美しいその娘が,幸せそうに微笑み,白に身を包んでいる。

確かにココが好きそうだと,僕は彼女が喜んでいた理由に納得した。

僕には似合わないし,あれを着る日も来ないだろう。

僕は満足してその場を離れた。



「初めて見たんだろ,ジョン。どうだった?」

「綺麗だった」



本人にわざわざ伝えに行くことは出来ないが,その称賛を僕は口にする。



「お前も憧れたか?」



それでも当然だと言うような問いかけに,僕はタルトを見た。



「何故? あれは僕とは関係の無い祝い事だ。それに似合いもしない」

「そうでもないと思うけど。それにもう,お前は外に出られるじゃないか。好きなやつの一人や二人,見つけてもおかしくない」

「さあ,それはどうだろうな。考えたことはあるが,そんな気持ちは想像も出来なかった」

「でも」