ー野に咲く花の冒険譚ー



「おっ前なぁ。せめて飲み方ってもんがあるだろ……!!」



こぽこぽと鳴るボトルを,ぐいと落とすタルト。

口の端にベタつく液体が零れ,僕はタルトを向きながら眉を歪めた。



「何か?」

「何か? じゃねぇよ。大丈夫なのか?」

「あぁ,何ともない」



手首で零れた液体を拭う。

止められたために,僕はそれ以上口にすることが出来なかった。



「ココや他の奴らはどこに行ったんだ?」

「さあな,好きにしろと言っておいたが,そのうちお前のとこに戻ってくると思う」

「なんで僕のところに? 好きにしろと言ったんだろ」

「気に入ってるからだよ,ジョンのこと」



むずっとした感覚が胸に走る。

気づかないふりをして,僕は足を動かした。



「どこに行くんだ?」

「僕も好きにさせてもらう。"こいつ"も服の下だ。よっぽどのことがない限り騒ぎにはしない」



タルトは何故か僕に着いてくる。



「俺も特に行くとこ無いしな。いいか?」

「……好きにしろ」



僕は人の多い場所を目指した。

前ならあり得ない行動だ。

王の言うことを全て鵜呑みにするわけじゃない。

けれど,実際タルト達が平然としているのを見て,少しくらいならと判断した。

ココがはしゃぐ花嫁とやらも,彼女のために見ておいてもいい。

僕は足を止めた。