直ぐに戻る。
その思いだけを胸に,僕は行きよりもずっと多くの我慢を自分に強いて歩いた。
花との戦闘や既に蓄積された疲労で足が棒のようになっていても,無表情で全てを包み隠した。
日が暮れるよりも前,いつもよりタルトは早く足を止める。
「タルト,まだ……」
「駄目だ。今日はここまで。皆も疲労しているし……理由は分かってるだろ,ジョン」
靴を脱げと,タルトはきつく命令した。
口を結び,動かずにいる僕を皆が見つめる。
タルトが折れる気配はない。
「……」
僕は片方の靴だけを脱いで見せた。
もう片方で身体を支えると,流石に痛んで顔が歪む。
「あっジョン……!」
僕の人より多くの衝撃を受けずに来た足の皮は柔らかく,脆い。
毎日一回清潔に洗いはするものの,山道なのもあってもうずっとぼろぼろだった。
かかとはベロンと剥げ,親指の側面も擦りきれて血が靴に付着している。
その思いだけを胸に,僕は行きよりもずっと多くの我慢を自分に強いて歩いた。
花との戦闘や既に蓄積された疲労で足が棒のようになっていても,無表情で全てを包み隠した。
日が暮れるよりも前,いつもよりタルトは早く足を止める。
「タルト,まだ……」
「駄目だ。今日はここまで。皆も疲労しているし……理由は分かってるだろ,ジョン」
靴を脱げと,タルトはきつく命令した。
口を結び,動かずにいる僕を皆が見つめる。
タルトが折れる気配はない。
「……」
僕は片方の靴だけを脱いで見せた。
もう片方で身体を支えると,流石に痛んで顔が歪む。
「あっジョン……!」
僕の人より多くの衝撃を受けずに来た足の皮は柔らかく,脆い。
毎日一回清潔に洗いはするものの,山道なのもあってもうずっとぼろぼろだった。
かかとはベロンと剥げ,親指の側面も擦りきれて血が靴に付着している。