ー野に咲く花の冒険譚ー




「僕達みたいなお互いに自由な存在は,きっと恋愛でうまく行くことはない」



タルトと僕では,未来を明るいものには出来ない。

僕が,友達という関係を手放したくないんじゃない。

タルトだから,友達なんだ。

僕はのっそりと右手で地面を押し上げて,上体を起こした。

右足が地面を踏みしめる。



「この旅のあと,着いてくると言うなら最初から好きにすればいい。逆に……もう一緒にいられないとしても,僕は君の手を取らない」



タルトに目を合わせた。

タルトはその足で自立したまま,困った顔を崩してはいない。

何の感情もぶつけてこないタルトに,僕は人知れずほっとしていた。

タルトの提案がどういうものだったのか,僕は少なくともそれだけは理解していたから。