けれど直ぐに高い音を出す足元へ目を向けた。
今は説明よりも解決が先だ。
面倒にも,相手は戦うべきでない生身の一般市民。
手加減しなくてはいけないから,優しいタルトの身も危ない。
それが僕の判断だった。
油断すれば後ろから鋭利なものを投げられてもおかしくはないこの状況。
花も気付かないほどの一瞬に本体の僕が傷付けば,当然それはそのまま僕の負傷となる。
「アモーレ リリィ。僕を助けてくれ。手加減になれてない君は,僕を動かすのに集中して。攻撃は極力避けていい」
「ん,がんばる」
言葉通り,集中するように花の動きは素早く効率的になった。
相手は皆,農具やらなんやらと武器を手にしている。
僕を守るリリィに時々視界を遮られながらも,僕は人間を無力化させることに集中した。
中には子供がいるせいで,転ぶだけで死ぬかもと躊躇してしまう自分がいる。
あちこち縫うように動くなか,リリィはひたすらに命令を下した。



