ー野に咲く花の冒険譚ー

ようやく存在が顔まではっきりと見えるようになった時,僕はその光景の異質さに顔を歪める。

数十人の人間だ。

それも年齢はバラバラで,一番下で10歳前後。

上は40と言ったところか。

しかもどれも必死の形相で,声をかけた程度では止まりそうにない。



「死にたくないなら走れ! 助け合って逃げるんだ! あいつはどこ行った?!!」

「このチビなら俺が抱えてる!」

「あっっぅ」

「メグ!」



何かから逃げている。

それが分かっただけなら良かった。

けれど僕が見る限り恐らく。

あの集団は全て等しく花つきだ。

サーとらしくなく耳に響く。

僕は止めた足を,再度全力で動かした。

後ろを走る子供から,共鳴するように花が顕現している状況。

肩がぶつかっては広がり,連中は少しずつ広がっていく。