ー野に咲く花の冒険譚ー




「僕の言葉を1番に聞いてくれるか? 無茶なことは言わない,絶対的に殺しはなしだ」

「ジョンが死なない限り」



譲れないと言うように,花は条件をつける。

僕は僕が危険に陥らない事を,胸に刻んだ。



「アモーレ。……ありがとうリリィ」



他国の言葉を日常に組み込むのは,少し慣れない。

あっているかも分からない。

けれどそれだけでも,リリィは嬉しそうに声をあげた。



「ところでジョン,これなんの音かな~ぁ」



リリィはぐるりと花弁を回す。

待っていると,それは時期に僕の耳にも届いた。

どたどたとした,獣のような音。

もしくは大勢の人間が,死ぬ気でリレーでもしているような。



「行こう,リリィ。よくない気がする」



ざり……と僕は立ち上がる。

この先の隊員や村に行かせてはいけないと,強く予感があった。

獣の大群であったなら,ただの人間では踏み殺される運命。

けれど僕にはリリィがいる。

だから……

僕はその音の正体に向かって,最短距離の真正面から走り向かった。