子供達は何も分からないまま,無邪気にふぁさふぁさとしている。
命令しようとも,騒ぐ花達に届くとも思えない。
わたくしちゃまがやらなきゃ。
ととさまが死んじゃう。
わたくしちゃまは大きく顔を開いた。
「だめだ……! 殺しちゃいけない。攻撃するな,殺すな! ……そういう約束だろ?」
わたくしちゃまが大きく開き,ととさまの制止に無防備になった一瞬。
その一瞬で,その場にいた人間の誰かが,どうやってかととさまを殺してしまう。
驚いたわたくしちゃまが見れば,兄さんが奪っていったのと同じ液体がととさまの頭から流れていた。
「死ぬまで,生きて。僕のアモーレ」
すっと息を吸うように,ととさまはいなくなった。
ただ,右手だけが。
いつもの約束の形をしていた。
わたくしちゃまは,ととさまから離れる。
子供達の所へ行き,兄さんを威嚇した。
兄さんが,ととさまだったものを持っていく。



