ー野に咲く花の冒険譚ー



「兄さん,やめて!! わたくしちゃま,わたくしちゃまのととさまになにするの!!」

「うるさ……。?!!」



わたくしちゃまの開いた口から,黒い粒が6つ飛び出る。

驚くわたくしちゃま,動きを止めた兄さん。

その中で,歯を食いしばったととさまだけが,目を大きく開けて様子を注意深く食い入るように見ていた。

兄さんにぶつかり落ち,カタカタと動いた粒が発芽する。

やがて鏡で見たわたくしちゃまのような,違うような何かになった。

ガタガタと持ってきたものを集める兄さんは,最後にわたくしちゃまの千切れた葉っぱを拾って出ていく。

守れたと,わたくしちゃまは思った。

ととさまもありがとうと言ってくれた。