ー野に咲く花の冒険譚ー




「落ち着け,おちついて……大丈夫だから」



ととさまの声を聞いているうちに,わたくしちゃまは落ち着いていく。

ととさまは自分で立ち上がることが出来た。



「な,なんなんだそれは! お前……大丈夫なのか? 何に手を出したんだお前は!!」



TVでみた,叱りつけるような声。

ととさまはそれが許せなかったみたい。

わたくしちゃまも暴れたくなった。



「兄さんさえ帰ってくれればこの子は危害を加えない」



そっとととさまはわたくしちゃまを撫で付ける。

その手はいつもよりずっと湿っていて,顔も険しかった。

兄さんがととさまの手を強引に引っ張る。



「やめて!」

「攻撃しちゃいけない! ……約束だろ?」