イライラするようにキョロキョロ部屋を見渡した兄さんって人が,私を向く。
いつか鏡で見た通り,わたくしちゃまには目がついていないけど。
感覚的には,目が合ったという状況だった。
ととさまがいつもしゃがんでくれるから,それがどんなものなのかわたくしちゃまは知っている。
わたくしちゃまは初めての人間との顔合わせや近づいてくる兄さんに緊張しながらも,それでも頑張って動かなかった。
「おい! やめろ,触るな!!!」
もう兄さんと名前も呼ばない。
その大きな声に,わたくしちゃまはびくりと動く。
「あれ,今……」
「いいから帰ってくれ! 近くの警備員を呼んでもいいのか?! 騒ぎにしたくないのはお互いだろう」
脅かすように目を細め歪めたととさま。
そのととさまに
「何なんだ全く! この頑固なやつめ!!!」
兄さんは肩を掴み怒鳴った。



