ー野に咲く花の冒険譚ー




「……まさか,ここがどこだか,特別研究施設だと分からずに来たのか……?」



ととさまは小さく呟いた。

わたくしちゃまは知っている。

ここはあれこれ調べたり解明したりする場所で,ととさまは何かの大事な人。

特別な場所の特別な人だから,辞めて出ていこうとしても誰かがこの部屋をそのままくれた。

ととさま以外の初めての人間。

あの人は知らないのかと,わたくしちゃまは得意な気持ちになった。



「何か言ったか?」

「いや」



ととさまは頭を軽く振って,わたくしちゃまのようには教えてあげない。

どうしてだろうと思っていると



「帰ってくれ。次はもう絶対にここまで通さない」

「……あれは? なんだ,趣味が変わったのか? 1つだけ浮いている」