ー野に咲く花の冒険譚ー


ととさまは機嫌が良さそうだった。

そうなると決まってわたくしちゃまも嬉しい。



「それより今日は僕を呼び出した人のお客に良いことを聞いたんだ」

「いいこと?」

「そうだ。だから,僕は君を呼ぶとき,君ではなくアモーレと呼びかけることにする。僕のアモーレ,今日はどうだった?」

「寂しかった!!」



あとひま!

そう答えれば,ととさまは嬉しそうに笑った。

わたくしちゃまは,そうやって少しずつたくさんの言葉や気持ちを憶えていった。

そして0歳だったわたくしちゃまは2歳になって,1ヶ月が4回と1日が6回過ぎた。

ととさまはその時31歳だった。

そのととさまが目覚めてから1時間が2個進んだ時に,誰かがたった一つしかないドアを叩く。

ととさまは目の前にいたから,驚いたわたくしちゃまも癖で声をあげることなく黙った。

ととさまが,叩いた人の声を聞いて見たことのない顔をする。