ー野に咲く花の冒険譚ー




「おお,すまないねぇ。優しいねぇ。流石あの子と息子の子供だよ」



違うけどな。

容器に入れ,袋にも詰めてくれた婆さんから肉を受け取ろうと,僕は手を伸ばした。

左手で持ち手を掴み,右手で袋の尻を支える。

と,僕の指に触れた婆さんのくしゃくしゃな手が,ぴくりと震えた。



「……あぁ,あぁ。それは……野花かい? 変わった花だね,指輪のセンスもいい。だが,だが……あぁ」

「何だ? 聞こえない。タルト,何て言ってる」



突然に僕の右手を両手で掴み,婆さんは絞り出すように喘ぎ話す。

聞き取れず,どうしたらいいのか分からない僕は,慣れているだろうタルトを見上げた。