「ただ,今言ったことを忘れるな。勿論おっさんの戯れ言さ。でも,知っているだけでダメージは小さくて済むものなんだよ」
他の人は知らない。
でも,タルトよりずっと乱暴な手つき。
それが僕に与えたものは,空虚な感覚だった。
もし僕にこれが与えられるのなら,きっとこの人からじゃない。
そんな熱いのか冷たいのか分からない感情が顔の中心にやって来て。
僕はひどく混乱していた。
「何を話してるんだ?」
僕達の間を割くように声をあげたのは,タルトだった。
僕はすぅと息を吸い,また平静に戻る。
「さあ,僕にはよく分からなかった」



