「僕はタルトを大事にすると決めた。今まで手にしたものが少ない分,僕はそう決めた人間やものを大切にする。ただそれだけだ」
口にすれば,自分の思考も纏まって。
僕はタルトや隊員,置いてきたり亡くしたりした人間をどう思っていたのかを自覚する。
「……嬢ちゃんは,俺達と真逆なんだな。あ,兄ちゃん悪ぃな,サクッと倒しちまってくれ」
「本当に何なんだお前は」
ころころと見せる表情を変える男に,自ずと僕の表情も崩れため息が出た。
「真下に伸ばし開く手が,次に何をするかって事さ。表があれば裏がある。上りがあれば下りがある。それが何の事か,理解するのは嬢ちゃんみたいなのはもっとずっと後でいい」
男の僕よりずっと大きな手のひらが,僕に手を伸ばす。
避けることだって出来たのに,驚いた僕は無防備にもその場に硬直してしまった。



