ー野に咲く花の冒険譚ー



「どうした」

「飲料が切れそうなんだ。単純に飲めなさそうなのもある。そこで,すぐそこの村に寄ろうと思うんだが……」

「ああ,好きにしろ。それは必要なことだし,僕も待ってる」



頷いた僕へ,違うとタルトは首を振る。

なんだ? と片方だけ眉をあげれば,タルトは僕へ耳打ちをした。



「皆口にはしないが,そろそろ備蓄も気にせずしっかりとした肉が食いたいはずなんだ。ジョン,一緒に行こう」



他の食糧は全て国の援助金が少しと皆からのカンパで賄っている。

けれど,タルトがこうわざわざ持ち掛けてくるのを見ると。



「本気か? 僕を連れていくのも,隊員全員が満足できるだけの肉を奢るのも」



こんな枯れた土地にある村なんて,たかが知れていた。

恐らく肉自体は他所よりあるものの,それくらいしかないだろう場所ではそう安くもない。

相場など殆ど知らない僕でもそれくらいは知っている。