ー野に咲く花の冒険譚ー


振り向いた先にあった表情を,僕は黙って数秒見つめた。

こいつ……あんなことを仕出かしておきながら,もう後悔しているのか。

そのきっかけが何なのかは分からない。

でももし僕からの評価が影響しているだけなのであれば,それではまだ足りないと僕は思う。



「アイザ,僕とタルトの関係が羨ましいのか」



アイザは暗い瞳を持ち上げた。



「どうだろうね。君はどう思う? ジョセフィーネ。僕は何が羨ましいんだと思う? タルト? 友人関係? まさか」



年相応と言うには,あまりにも幼すぎる瞳だった。

いつからアイザは独りであったのだろう。

どうしてこうも価値観や性格に歪みがあるのだろう。

口調はあんなにも,嘘臭くも柔らかく誰かを気にかけるのに。