ココを失った旅は想像以上に物足りず,気を抜けばどこかへ手を伸ばしてしまいそうなものだった。
だが……
「ジョセフィーネ? 最近何かちょっとテンション高くない? なに,やっぱり目的地が近づいて嬉しいの? だって君,ほんとは逃げるつもりすらあったでしょ」
ココがいない,ココが今なお危ない。
その僕の心配全ての根源であるアイザに訝しがられる程度には,僕の心も安定していた。
くるりと僕は振り返る。
冷たい目付きは,意識せずとも簡単だった。
「話しかけないでくれるか,アイザ。僕はお前を軽蔑したままだ。よって,それすらも嫌悪に値する」
アイザは似合わずとも,一瞬切な気に笑う。
ざわりとそれが僕の胸に障った。



