ー野に咲く花の冒険譚ー


どうか,憶えててくれ。

僕と言う子供がいたことを。

僕と言う人間が今,存在していることを。

どうか僕を,僕のことを。

いつまでも,忘れないでくれ。

もうあの大きな家には,戻りたくない。



「ジョン,今日はもう寝た方がいい。そろそろ頭や心だけじゃなく,身体も限界だろ。明日ももう1日……」

「いや,いい。僕は早く全てを終わらせたい」



花の事まで知りすぎてしまって,その後どうするか決めかねてはいるけれど。

どこから行こうか。

そう思える程度には,他人の事も気にかけてしまっていた。

直近の依頼はたったの1件。

厄介なものでないといいけど。