自由意思で食い散らかすと言うだけでも憎悪が止まらないのに,そいつは僕の身体と結合している。
おじいさまが僕の中でどうなったのかと考えるだけで,吐き気は何度もやって来た。
その日から少しずつ,僕の涙は減り。
今となっては全ての事柄へ一々涙を流すことなどない。
おじいさまの死と言う事実でさえ,他人にさらりと話してしまえる。
「なのに。この,僕の花は。全てを取り巻く要因は。そんなことがあったなんて,憶えてないどころか知りもしない。少し叩いた位の自覚で,自身の養分の一部にしたことなんて」
何も,何も分かっていない。
その腹立たしい存在を,元凶と言ってしまえれば良かった。
でも,全容を知らぬまま,以前と同じようには言えなかった。
本当にミスを犯したのは誰だ。
たった1人のととさまと言う人間は,何のためにこいつを生み出した。
こいつを保管していたのは,それを持ち出し,故意に僕へこんなものを植え付けたのは,誰だ。
この無邪気で邪悪な花は,どうしたら消えてくれる。
僕一人がいらないと,どこかへ行ってしまえと頼んで,済む話だとも思えない。
「ジョン」
タルトが僕の肩を抱いた。
口内の頬の辺りから,鉄の味がする。



