黒瀬くんは、"あの"一匹オオカミちゃんを一途に溺愛したいらしい。





黒瀬真中は自分が『チャラい』と言われていることに納得がいかないのか、「うーん」と頭を悩ませている。

そして何かをひらめいたかのように、まつ毛の長いきれいな瞳に、私だけを映しながら真っすぐにこちらを見た。


「じゃあさ、チヨちゃん俺の彼女になってみる?」と。




――ガタンッ。

「ちょっ、チヨちゃん!?大丈夫!?」



理科の実験室の椅子は背凭れのない丸椅子というのが祟った。

目の前の男のあまりにも予想外なひと言に、思わず後ろへぶっ倒れてしまった。



「(この男……っ、殺す気か!)」

「チヨちゃん!?どこも打ってない!?大丈夫!?」

「じ、実験中にバカなこと言うな!お、お前はあほか!」