初めて、親に嘘をついて純くんと外泊した翌日、私は珍しく母と口論になった。

私は、女友達のところに泊まったと嘘をついたものの、母は納得がいかないという。

純くんと一緒だったのかと問われたが、一度ついた嘘は、墓場まで貫き通すのがせめてもの誠意だと思った私は、

「違うよ。失恋した女友達を慰めるために、一緒に居てあげたの。それがそんなにいけないこと？」

「だって…あなたには純くんが居るでしょう？」

「純くんとその友達は、何の関係もないじゃない」

「そんなこと言って…純くんに後ろめたくないの？」

母が何を言わんとしているか、私には全く判らず、少し苛立った。

「どうして女友達に付き合うことで、純くんに後ろめたいと思う必要があるの？他の男の人と一晩過ごしたなら、話は別だけど」